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判例の役割をわかりやすく解説!最高裁判所の法解釈が実務を動かす

判例についてわかりやすく解説!最高裁判所の法解釈が実務を拘束する

「法的トラブル解決!判例紹介所」は、法律と判例を武器に世の中の不合理と戦うサイトです。

法律の適用例である判例は、裁判だけでなく、行政や企業の法務などをも拘束します。そのため、判例を知っていれば、トラブルを法的に解決したいとき、交渉を有利に進められるんですよ!

とはいえ、一般の人たちからすれば「判例って何?」だと思います。今回は、そんな皆さんのために、「判例とは何か?」をわかりやすく解説します。

具体的な法律の解釈を世間に示すのが判例

たとえば、民法の有名な条文に、不法行為について定めた709条があります。

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

いろんな場面で使われる条文ですが、この条文だけ見ても「何が不法行為なのかさっぱりわからん!」ってのが本音でしょう。

そりゃそうです。法律の条文は抽象的に書かれているんですから。

民法709条にしても、「どんな状況が『故意』や『過失』になるのか?」「何が『他人の権利』や『法律上保護される利益』に当たるのか?」「損害賠償の額はどうやって決めるのか?」など、具体的な解釈は実際の事件の中で決まります。

で、具体的な法律の解釈を世間に示すのが判例なんですね。

不法行為の判例であれば、法律的には問題ない行為であっても、周りに人たちに多大なる害を与える場合、「不法行為だ!」と判断されることがあります。その判断基準となるものの一つに受忍限度論があります。

受忍限度論というのは、「ここまでは普通の人なら我慢できるよね?でも、これ以上は我慢できないから不法行為ね!」という理論です。「近所の公共施設がうるさい!」といっても、その施設が学校で「子どもの声がうるさい!」って程度なら「我慢しろ!」となります。一方、空港が家の隣にできて、毎日飛行機の轟音を聞かされることになったら……。「我慢しろ!」とはいえないでしょう。つまり、住民の許可なく空港を勝手に作れば不法行為になる可能性が高いってことです。

この受忍限度論は、公害裁判の中で確立されてきた判例理論です。法律の条文を探しても、どこにも書かれていません。しかし、最高裁も平成6年3月24日の判決で受忍限度論を採用しています。(全文はこちら

今日の判例工場等の操業に伴う騒音、粉じんによる被害が、第三者に対する関係において、違法な権利侵害ないし利益侵害になるかどうかは、侵害行為の態様、侵害の程度、被侵害利益の性質と内容、当該工場等の所在地の地域環境、侵害行為の開始とその後の継続の経過及び状況、その間に採られた被害の防止に関する措置の有無及びその内容、効果等の諸般の事情を総合的に考察して、被害が一般社会生活上受忍すべき程度を超えるものかどうかによって決すべきである。

受忍限度論に限らず、実際に法律がどう適用されるのかを考える上で判例がとっても重要なんですよ。

実務を拘束する最高裁判所の判例

実際の裁判で下された判決文すべてが判例ですが、実務を拘束するのはあくまでも最高裁判所の判例です。

最高裁は、法律に関する多様な解釈を統一し、国の判断を示す役割を果たす唯一の機関です。その最高裁の判例は、後に起こる類似の裁判の判決を左右するため、弁護士や検察官の訴訟戦略にも影響を及ぼすんですね。こんなにも強力な最高裁の判例は、法律ではないものの、「ほぼほぼ法律である」といえるでしょう。

一方、最高裁以外の下級裁判所(高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所)の判例は、類似の裁判で参考資料にはなりますが、覆される可能性もあるので不安定です。もっとも、交渉相手が無知ならば、「判例ではこうなってる!」と言うだけで怯ませることも可能なので、下級裁判所の判例といえども侮れません(笑)

さて、とっても権威のある最高裁の判例ですが、過去の判例が時代にそぐわなくなったり、どこをどう頑張っても正義を貫けなかったり……という場合、最高裁の大法廷で判例変更が行われます。これは裁判所法10条3号で次のように定められています。

事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない。
三 憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。

判例変更が行われると、それ以前の判例が実務への影響力を失うので要注意です。常に新しい判例を参考にすることが大切ですよ。

まあいっか
ここ最近の判例変更といえば、2017年11月29日に、刑法の強制わいせつ罪の成立要件で「性的意図は不要」とされたのがニュースになったよね。
ぼっちだこ
セクハラなどに対する社会的な非難が強まっていることをふまえて、47年ぶりに判例が変更されたんだ。「今日では被害者の受けた性的被害の内容や程度にこそ目を向けるべきだ」と最高裁は言っているよ。

判例を使いこなせれば優位に立てる

当サイトでは、原則として最高裁の判例を紹介しています。ただ、最高裁の判例が無い事件については、下級裁判所の判例も紹介します。当サイトの読者さんは、この点に注意してくださいね。

法的にトラブルを解決したいときは、判例が強い味方になってくれます。それだけでなく、日ごろから判例を読んでいれば、「社会で今、何が問題になっていて、それがどう解決されるのか?」を理解できて勉強になります。

法律というと小難しいイメージがありますし、判例は読みにくい悪文です。なので、敬遠する人が多いですが、だからこそ、判例を使いこなせるようになれば優位に立てるんですよ。

法律と判例を武器に世の中の不合理と戦う同士が増えることを願っています!

注意当サイト記載の相談事例は全てフィクションです。記事中の相談者は実在せず、記事を作成することにより管理人が報酬を得ているわけではありません。そのため、弁護士法72条に規定される非弁行為には該当しませんので、この点は十分にご理解願います。

実際の法的トラブル解決に関しましては、弁護士などの専門家に必ずご相談ください。法律関連のトラブルを解決できる専門家を全国1,000以上の登録事務所から案内する「相談さぽーと」がとても便利なのでお勧めです。

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