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自治会を一方的に退会できる?自治会費や共益費の支払いはどうなる?

自治会を一方的に退会できる?自治会費や共益費の支払いはどうなる?
相談者
私はA県B市の賃貸アパートに住んでいます。そのアパートには自治会があって、私も会員として毎月自治会費を払っています。1年前に会長さんが代わったのですが、その影響で自治会活動が活発になりました。親睦会の回数が増え、毎月1回の清掃活動も会員全員参加になりました。親睦会や清掃活動に参加しないと文句を言われます。しかも最近は、会長が「清掃活動に参加しない会員には出不足金3000円を払ってもらう」と言い出す始末……。私はIT企業に勤める単身者で、残業や朝帰りも多いうえに出勤日も不規則です。だから、自治会活動に毎回参加するのは不可能です。清掃活動に不参加だと出不足金を支払わされることにも納得できません。そもそも自治会の人たちと交流したいとも思わないですし……。自治会を退会することはできないのでしょうか?

この手のトラブルはよく聞きますね。

自治会活動は、年金生活のジジババや旦那の金で悠々自適な生活をしている専業主婦のおばちゃんにとっては、ちょうどいいヒマつぶしなんですよ。でも、単身者や共働き世帯にとってはデメリットしかありません。そんな自治会を退会することは法的に可能なのでしょうか?

早速、最高裁の判例を見てみましょう。

自治会の会員は一方的に自治会を退会できる

今回紹介するのは、平成17年4月26日に最高裁が出した判例です(判決文全文はこちら)。

今日の判例被上告人(注:自治会)は、会員相互の親ぼくを図ること、快適な環境の維持管理及び共同の利害に対処すること、会員相互の福祉・助け合いを行うことを目的として設立された権利能力のない社団であり、いわゆる強制加入団体でもなく、その規約において会員の退会を制限する規定を設けていないのであるから、被上告人の会員は、いつでも被上告人に対する一方的意思表示により被上告人を退会することができると解するのが相当であり、本件退会の申入れは有効であるというべきである。

これは、埼玉県新座市の県営住宅で起こった自治会費等請求事件の判決文の一部です。自治会(被上告人)のやり方が気に食わなかった入居者(上告人)は、自治会に退会を申し入れました。しかし、自治会はそれを拒否し、入居者に「共益費と自治会費の支払え!」と迫りました。で、入居者と自治会が揉めに揉めて裁判になったんですね。

さて、引用した部分は、自治会が強制加入団体でなく、規約に会員の退会を制限する規定が無ければ、会員は一方的に退会できる、と述べています。逆にいえば、自治会が強制加入団体で、規約に会員の退会を制限する規定があれば、会員は自由に退会できない、ということになりそうです。もちろん、こうした自治会の在り方や規約が法的にどう評価されるかはまた別の問題でしょうが……。

というわけで、「自治会がうざいな」と思う人は、とりあえず自治会の規約を確認してみるといいんじゃないでしょうか?

「権利能力のない社団」とは何か?

引用した部分で気になる「権利能力のない社団」について解説しますね。

「社団」とは、人の集まりのことです。「権利能力」というと、「何ができるの?」と思いがちですが、実は違います。民法などの法律に定められている権利・義務の主体になれる資格が権利能力です。これがないと、売買や相続などに関われなくなります。私たち人間は生まれながらにして権利能力をもっています。会社などの集団も、登記をきちんとすれば、「法人」としての権利能力が認められます。

一方、アパートの自治会や町内会、学校のPTAなどの集団は、登記ができないので法人になれません。こういう集団のことを「権利能力のない社団」といいます。権利能力がないとはいえ組織としての実態はあるので、財産の帰属や構成員の責任などでいろいろ問題になることもあるんですね。

あまり深入りしても仕方ない部分ですので、権利能力のない社団についてはこのくらいにしておきましょう。それよりも大切なのはお金のお話です。

自治会を退会しても共益費は支払いなさい

自治会費等請求事件の第一審と第二審は、「自治会の会員は退会できねぇんだよ!」という“常識的”な判決を下しました。しかし、最高裁はこれを覆して「自由に退会してOK!」と言い放ちました。時代の流れというか何というか、強制的に個人を組織に縛り付けることにNGを突きつけたんですよ。

そんな最高裁ですが、お金関係に関しては現実的です。上告人に対して、「自治会脱会後の自治会費は支払わなくてよいが、共益費は支払いなさい」と言ったからです。

そもそも、今回の事件における共益費とは、「本件団地内の共用施設を維持するための費用」で、「街路灯、階段灯等の電気料金、屋外散水栓等の水道料金や排水施設の維持、エレベーターの保守、害虫駆除等に要する費用」とされます。これは自治会とは直接関係ない埼玉県住宅供給公社に渡るお金なので、自治会が一括して徴収しているからといって、自治会を脱会した人が支払いを拒むことはできないんですね。

まあいっか
共益費は、自治会の会員であろうとなかろうと支払わなければならないんだね。
ぼっちだこ
自治会のない賃貸マンションなどでも、家賃とは別に「共益費」や「管理費」はあるので、今回の事件もそれと同じってことだろう。もっとも、自治会を退会すれば、何に使われてるのか分からない自治会費は支払わなくていいわけで、それだけでも意味があるんじゃないかな?

自治会を退会すると面倒なことになる?

自治会運営の目的は、居住者や近隣住民の親睦や助け合いなどです。この目的自体が悪いとは思いませんが、「親睦会や清掃活動には必ず参加しなさい」「役員は必ず務めなさい」などと束縛の多い自治会なら、思い切って退会するのも有りでしょう。そうすれば、少なくともどーでもいい自治会活動に参加しなくて済みますし、出不足金を徴収される理由もなくなるからです。

とはいえ、自治会を退会すると、地域によっては周囲から白い目で見られます。それが面倒だから、みんな我慢して自治会の言いなりになっているんじゃないですか?まあ、自治会をありがたがって、積極的に参加している頭のおかしい奇特な人もいるんで、価値観は人それぞれなんでしょうが……。

賃貸であれば、物件を借りる前に、自治会の有無などをしっかり確認しておくべきです。住み始めてから「こんなはずじゃなかったのに~」となるのだけは避けたいですよね。

だからこそ、何となくで物件を決めるのではなく、日本全国の賃貸物件を掲載している「キャッシュバック賃貸」を利用して、豊富な物件の中から「ここに住みたい!」と思える物件を見つけてほしいと思います。最大10万円の引っ越し祝い金ももらえるので、とてもお得ですよ!

注意当サイト記載の相談事例は全てフィクションです。記事中の相談者は実在せず、記事を作成することにより管理人が報酬を得ているわけではありません。そのため、弁護士法72条に規定される非弁行為には該当しませんので、この点は十分にご理解願います。

実際の法的トラブル解決に関しましては、弁護士などの専門家に必ずご相談ください。法律関連のトラブルを解決できる専門家を全国1,000以上の登録事務所から案内する「相談さぽーと」がとても便利なのでお勧めです。

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