広告




ネットオークションで返品したい!ノークレームノーリターンは有効?

不法投棄されたゴミを撤去せよ!産業廃棄物の処理は誰が行うべきか?
相談者
先日、ネット―オークションで『瀬府玲子(せふ・れいこ)写真集』を購入しました。この写真集は限定販売の希少本で、シリアルナンバーと直筆サインが入っています。だから、5万円で落札したのですが……。届いた写真集を開封してガッカリしました。というのも、玲子ちゃんの顔や胸などがアップで映っているページがガビガビのパリパリになっていたからです。ページが貼りついて写真を見られないとかではありませんが、何に使ったのか分かる痕跡はさすがに気持ち悪すぎます。あまりにも腹が立ったので、出品者に返品を申し入れました。しかし、出品者は「使用に支障を来す傷や汚れはありませんが、画像からは判断できない傷や汚れがあるかもしれません。ノークレームノーリターンでお願いします。」と記載している以上返品には応じられない、の一点張り。こんなことって許されるのでしょうか?腹立たしいので訴えたいのですが……。

大好きなセクシー女優の写真集を高値で買ったのに、変なことに使われた跡がその写真集に残っていたら、そりゃあ、気分が悪いってものです。その痕跡が、出品者の説明する「使用に支障を来す傷や汚れ」に当たるのか、「ノークレームノーリターン」の対象になるのか、が今回は問題になります。

特定物売買には瑕疵担保責任が適用される

現行民法では、シリアルナンバー&直筆サイン入りの限定写真集のように、この世に一つしか存在しないもの(特定物)の売買で、そのものに隠れた瑕疵(傷・欠陥など)があった場合、瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)が適用されます。

瑕疵担保責任の条文は民法570条で、この条文では566条を準用すると定められています。で、566条1項には次のように書かれています。

売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。

要は、買主が知らなかった瑕疵が商品に発見された場合、買主は契約解除か損害賠償請求ができるってことです。

ただし、この瑕疵担保責任が適用されるのは特定物に限定されています。量産品の新品のように、同じ種類のものがたくさんあって交換可能な場合は、債務不履行の条文に基づいてトラブルを解決します。

平成29年6月に公布された改正民法では、瑕疵担保責任が廃止されています。その代わり、契約不適合責任として、特定物の売買も債務不履行で処理されることになります。この改正民法の施行は平成32年4月1日からなので、これ以降は特定物売買の在り方がガラッと変わりますよ。

中古車でも走行に支障を来す欠陥は「瑕疵」である

民法でいくら瑕疵担保責任が定められていても、契約自由の原則が大前提です。この原則は、「個人と個人の契約は自由にどうぞ!国は口出ししないから!」というもの。だから、ノークレームノーリターンも、売り主と買主が納得しているなら、何の問題もないんですよ。

とはいえ、ネットオークションの場合、買主は商品を実際に確認することができません。いくら「中古品の売買なんだから、多少のリスクは覚悟してよ」といっても、穴の開いた服とか音の出ないラジカセとかが届いたら困るはずです。瑕疵担保責任の条文にもある通り、契約をした目的を達することができないからです。

この点に関して、平成16年4月15日、東京地裁は次の判決を下しました。

今日の判例しかしながら、本件車両は、低年式の中古車であって、損傷個所が存在するとはいえ、サイトにはその走行自体が不可能であるとか、危険を伴うといった記載はなく、かえって、走行それ自体には問題がないかのような記載がされていたのである。その見地から損傷1.についてみると、ガソリンタンクのガソリン漏れは、その程度が相当のものであったと認められ、そのようなガソリン漏れが生じている自動車では、引火の危険性などからして安全な走行それ自体が困難であることは明らかであるから、そのような状態は、本件車両の落札価額の低廉さ、サイトの記載を考慮しても、前記した予想ないし予定を超える損傷であったといわなければならない。

これは、ネットオークションで行われた中古車売買に関する判決です。

裁判所は、「修理していない中古車を売買するんだから、買主が修理代金を負担するのは当然。でも、車を走行させられないという致命的な故障は、さすがに『瑕疵』に当たるよね」と判断しました。一方、ドアが車内から開かないという欠陥については、買主が知らなかったにもかかわらず瑕疵と認められませんでした。

瑕疵になるかどうかの判断基準は何なんでしょうか?

さっきも書きましたが、契約をした目的を達することができない欠陥などは瑕疵だってことでしょう。車は走って何ぼですから、走らないとなれば、売主はそのことを買主に知らせなければならないんですね。売主は「ノークレームノーリターン」と言い逃れできません。

契約をした目的を達することができるかできないか?

東京地裁の判例に従うならば、相談者のケースでも、目的を達することができないことを主張すれば、裁判で勝てる可能性は高いと思います。

写真集を何かの資料として購入したなら、ガビガビのパリパリのページがあっても「使用に影響無し」となるでしょう。でも、相談者は、写真集を別の目的で購入したはずです。だったら、その目的を伝えればよさそうですが……。「瀬府玲子ちゃんをオカズに楽しみたかったんです!」なんて言えますかね?(笑)

売主の想定する「使用」と買主の想定する「使用」との間のギャップ(?)を裁判所がどう判断するかは、実際に裁判にならないとわかりません。

いずれにしても、ガビガビのパリパリは気持ち悪すぎます。この手の商品は中古で買わないのが一番なのかもしれません。

まあいっか
セクシー女優の写真集がガビガビのパリパリって……。考えただけでゾッとするわ!こんな話を聞くと、ネットオークションを利用したくなくなるよね。
ぼっちだこ
ここまで酷いトラブルでなくても、ヤフオクなどではよく、商品に縮れ毛が混入されてるってことがあるらしいよ。商品自体に何ら問題はなくても、やっぱりこれは気持ち悪い!
まあいっか
男性出品者の中には、取引相手が女性の場合、意図的に縮れ毛を入れる奴もいそうだ。そうなってくると、女性にとっては恐怖だろうね。
ぼっちだこ
昔々、ネットオークションで婦人服を落札したオッサンが、その服を着て女装した自分の姿を撮影して、画像を出品者に送り付けるって事件があったな。もちろん、その画像は単なる女装画像じゃなくて、見せてはいけないものも写っていて……。「おはよう、かっちゃんです」ってタイトルで、女装したオッサンのキモ画像が送られてくるなんて、ホラーとしかいいようがない。ネットオークションにはどんな狂人が潜んでいるか分からないから、利用する場合は十分に注意が必要だよ。

注意当サイト記載の相談事例は全てフィクションです。記事中の相談者は実在せず、記事を作成することにより管理人が報酬を得ているわけではありません。そのため、弁護士法72条に規定される非弁行為には該当しませんので、この点は十分にご理解願います。

実際の法的トラブル解決に関しましては、弁護士などの専門家に必ずご相談ください。法律関連のトラブルを解決できる専門家を全国1,000以上の登録事務所から案内する「相談さぽーと」がとても便利なのでお勧めです。

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク