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内縁の夫の過失は被害者側の過失!交通事故の賠償金が減額される理由

内縁の夫の過失は被害者側の過失!交通事故の賠償金が減額される理由
相談者
私は、Aさんと10年間一緒に住んでいて、Aさんを支えています。妻同然ですよ。先日、Aさんの運転する車の助手席に乗っていたんですが、信号のない交差点で、Yの運転する車と衝突してしまいました。助手席側にYの車が突っ込んできたので、私は重傷を負って現在入院中です。そんなわけで、私はYに損害賠償請求をするつもりですが、保険会社の人に相談したら、「過失相殺されて、手に入る賠償金は少なくなると思います」と言われました。どうして過失相殺されるんですか?私はAさんの車に乗っていただけなのに……。理由が分かりません。

交通事故のような不法行為に基づく損害賠償請求では、被害者に過失がある場合、その過失に応じて賠償金が減額されます。これが過失相殺(そうさい)です。

同乗者である相談者も過失相殺されるのはどうしてでしょうか?

内縁も法律婚と同様に扱われる内縁準婚理論

相談者は、Aと10年間一緒に住んでいて妻同然の関係を築いているなら、Aにとって内縁の妻といえるでしょう。

内縁とは、婚姻届けを出していないけれど、一緒に生活していて夫婦同然の関係にあるカップルのことをいいます。婚姻届けを出している夫婦を「法律婚」というのに対して、内縁を「事実婚」ということもあります。

判例は内縁を法律婚と同様に扱っています(内縁準婚理論)。そのため、内縁関係にある男女には、婚姻費用分担義務(民法760条)や同居・協力・扶助義務(同法752条)、財産分与(同法768条)などが認められてきました。一方で、夫婦同姓や相続などは認められていません。

具体的に内縁関係が認められる要件としては、「内縁関係になりたい」という男女の意志や共同生活の実態、同棲期間の長さなどが挙げられます。

身分上・生活関係上一体の関係にある者の過失が被害者の過失

交通事故などの不法行為に基づく損害賠償請求では、賠償金の算定で、被害者本人の過失だけでなく、被害者側の過失も過失相殺の理由となります。

この被害者側の過失は判例によって確立された理論です。最高裁は昭和42年6月27日の判決では、「被害者と身分ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失」が被害者側の過失とされているんですね。

さらに最高裁は、平成19年4月24日の判決で、被害者側の過失に内縁関係にあるパートナーの過失も含めることを明確にしました。(全文はこちら

今日の判例内縁の夫婦は、婚姻の届出はしていないが、男女が相協力して夫婦としての共同生活を営んでいるものであり、身分上、生活関係上一体を成す関係にあるとみることができる。そうすると、内縁の夫が内縁の妻を同乗させて運転する自動車と第三者が運転する自動車とが衝突し、それにより傷害を負った内縁の妻が第三者に対して損害賠償を請求する場合において、その損害賠償額を定めるに当たっては、内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮することができると解するのが相当である。

近年は、同性愛カップルに対して同性パートナーシップ制度を認める自治体も増えてきました。2015年に東京都の渋谷区と世田谷区でスタートした制度が、2018年には7つの自治体に広まり、導入を予定している自治体もあります。

内縁のパートナーに被害者の過失を拡張した最高裁はいずれ、同性パートナーにも被害者の過失を認めていくんじゃないでしょうか?

身分上・生活関係上一体の関係を維持するカップルが「事実婚」と認定される場合、メリットだけでなくデメリットも法律婚に準じることを、肝に銘じておいた方がいいでしょう。

まあいっか
「重婚的内縁」と呼ばれる内縁関係もある。これは、法律上の配偶者を持ちながら内縁関係にあるカップルのことだ。現在の日本は一夫一婦制なので、重婚的内縁に法的保護を与えることに対して否定的な判例や学説が多い。
ぼっちだこ
重婚的内縁でも、離婚が成立しないまま長期間別居している男女が、配偶者以外の異性と同棲して共同生活を営んでいるような場合、法的保護が認められる可能性があるよね。

交通事故対応で実績のある弁護士に相談すれば賠償金を増額できるかも

相談者は、Aの内縁の妻と認められると、被害者側の過失に基づく過失相殺が行われるでしょう。

このことに納得できない、もしくは減額を少しでも減らしたいと思うなら、弁護士に相談するのが一番です。裁判ではなく示談で済ませたいのなら、なおのこと保険会社に交渉などを丸投げしてはいけません。

注意当サイト記載の相談事例は全てフィクションです。記事中の相談者は実在せず、記事を作成することにより管理人が報酬を得ているわけではありません。そのため、弁護士法72条に規定される非弁行為には該当しませんので、この点は十分にご理解願います。

実際の法的トラブル解決に関しましては、弁護士などの専門家に必ずご相談ください。法律関連のトラブルを解決できる専門家を全国1,000以上の登録事務所から案内する「相談さぽーと」がとても便利なのでお勧めです。

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